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オーダースーツのヨシムラ
お客様!ありがとう!
クラシコ2完成です。 
4月も半ばを過ぎると気分は一足早くGW。
そろそろ新生活にも慣れ、衣替えをして外へ出歩きたくなる気分ですが皆さんいかがお過ごしでしょうか?(原稿作成H16.04.18)

さて、今月の「お客さまありがとう」は先月前半ご紹介した『白崎プロデュースクラシコ2』の出来上がりをご紹介いたします。
どんなご注文か、詳細は(お客さまいらっしゃ〜い)をご覧頂くとして、簡単にまとめてみますとこんな内容です。

クラシコ2とは...
元フルオーダー職人である当社スタッフ白崎が監修した上級仕様モデル
素材はマニア垂涎のゼニアのトロフェオヘリテージ
仕立てはマシンメイドをベースにしながらハンドメイド要素をふんだんに使った物で従来のクラシコ仕様に次の点を加えたもの。
 手付けのボタンホール
 手付けのフラワーホール(芯入り)
 本バス芯(馬の尻尾の毛で編んだ芯地。高級芯の代名詞)
 揉み玉縁
 タグ千鳥掛け

それでは各ポイントを画像と共にご覧下さい。

手付けのボタンホール
>>> 参考のために通常の機械で行ったボタンホールを、ハンドをに掲載しましたので拡大画像を含めぜひご覧下さい。
どことなく縁取りがしっかりしているのが手付けで行ったボタンホールの特徴です。
このためしっかりしすぎていて最初のうちは、ボタンホールが硬くてボタンを掛けるのが大変です。

一方、機械で行うと作業は早くて正確ですので直線的な部分は文字通りまっすぐですが、どことなく色気がありません。
また、端の部分の糸の始末の悪さはどうしてもハンドと比べると目立ちます。
ご覧頂きいかがでしょうか?

手付けのフラワーホール
>>> 襟って一番目立つ場所なのに、襟に付くフラワーホールを気にしたことのある人ってあまりいませんね。
でもこんな所を見ると一発で手の込んだ仕立てか否か、が分かるんです。(普通はオーダーでもフルオーダーでなければここまではやりません。)
画像をご覧頂きいかがでしょうか?
が普通のマシーンメイド、が手付けのフラワーホールです。

右の方が輪郭がはっきりしているのが良く解ると思います。
<輪郭がはっきりするのは何故か・・・?>
それはフラワーホールに芯が入っているからです。
芯を入れてその回りを縫っていく、しかもその芯は襟の表側に出しつつ最後の始末は裏側で行う。。。う〜ん、凝っています。

ちなみにこの襟の芯に使う素材は、何でもお相撲取りがちょんまげを結う白い針金がありますがそれと同じだそうです。

本バス芯
>>> これは従来からも取り扱いがありましたが高価なのと数量が少ないためレギュラーのオプションに入れられない素材です。
以前自分のスーツで試しWebで紹介しましたが通常の芯と比べるとやや硬く張りがあるのが特徴で、本バス芯を使うと次の場所で特徴が現れます。

(1) 襟がピンと張る
ピーク襟の時が一番目立ちますが襟がピンと張り綺麗です。
(2) 襟のロール感が長く維持できます。(画像ご参照)
(3) 肩の座りがよい。(これは文字では表現できませんが肩の入りが良いです。)

揉み玉縁
>>> これは既にご紹介済みですがHさんの実物画像を掲載してみます。
ブルーのD管留めとこれに合わせた色での揉み玉縁。。。綺麗にマッチしてます!
前回ご紹介した見本品の画像(左側画像)と比べてもやはり実物で表生地に合わせて色のコーディネートをした方がずっと良いですね。
タグ等千鳥掛け
>>> これは白糸で付けるのが一般的で、それ故目立ちすぎ好き嫌いが分かれてしまうのですが、『白糸千鳥』は全て手作業で行うため結構手の凝った仕事です。
決してしつけ糸ではありませんから誤解のないようにお願いします。
着用写真
>>> そして一番大切な着用画像ですが、大変申し訳ありません!
ご注文いただいたHさんは静岡にお住まいと言うこともあり今回はご試着にはお越し頂けませんでした。
... ですので、代わりに私がモデルになって上着だけ試着させていただきました。
(私にはかなりオーバーサイズでしたのでサイズ的なミスマッチは御容赦下さい。)
いかがですか〜、撮影時天気が良かったこともありますが、シワの寄り具合が綺麗なドレープとなって格好いいでしょ!!

こういうドレープ感がきちんとでるスーツが『ぱっと見で分かる高級スーツ』なのです。

そしてスーツを早速お届けすると・・・簡単なご感想メールが届きました。

04.04.05 件名:Re:お届けのご案内です。
荒井さん
 ゼニアヘリテージのスーツ確かに受け取りました。
仕上がった状態でみると生地の光沢が想像していたより綺麗で満足いたしました。
この度は大変お世話になり有り難うございました。
今後ともよろしくお願いいたします。(静岡県 H)

★☆★東京SHOPMASTERより一言・・・ ★☆★
スーツの仕上がり等のご連絡は荒井君や北君、その他レディース担当が私の代わりに行っています。
今回は丁度私自身が出張期間中でバタバタしているため、自分が担当したHさんも含め荒井君にメールをお願いしました。(荒井君ありがとう!)

... で、これでオシマイなのですが、さすがに私もクラシコ2仕様第1号ということで、私からも直接ご連絡差し上げたく別途メールを送りました。

04.04.05 件名:ご感想ありがとうございました。
Hさん
おはようございます。オーダースーツのヨシムラ(吉村)です。
東京では皇居の桜ももう見頃を過ぎ、花びらがお堀を埋め尽くす桜の最後の光景ですが、そちらの方はいかがでしょうか?

さて、
先ほどは先週お送りしたクラシコ2へのご感想をありがとうございました。
また、私が先週出張がちだったことや(珍しく?)週末お休みを頂いていた関係で私から直接ご案内が出来ず失礼いたしました。

お届けした商品については、金曜日に私も検品に立ち会いましたが手付けのボタンホールの穴が使い慣れていないため硬い点を除けば全て問題ないレベルでした。
(手付けの場合は概してのような硬さはありますがこれは車で言えば新車の匂いのようなものですので敢えてこちらでいじり廻さないようにしています。)

その他フラワーホール等もなかなか今時は見ないフルオーダー仕様になっていますので素敵だと思います。

あとは、文字には直せないところですが一番大切なのは着心地です。
本バスの芯地は衿がピンと張るといった外見上のメリットもありますが一番は肩の入り具合だと思います。
最初はやや堅いかな?と思われる「肩の座り」も着ていく内にだんだんしっくりしてきますのでこの辺は、車も新車時よりも使っているうちにエンジンの回りが良くなるのと同じですのでどうぞ今後の楽しみとしていただければ幸いです。

それでは今後ともどうぞご愛顧の程何卒よろしくお願いいたします。
ご感想ありがとうございました。

オーダースーツのヨシムラ
SHOPMASTER 吉村 雅隆

PS:次回のHP更新案内でHさんのスーツの出来上がり画像等を掲載させていただきたいのですがよろしいでしょうか?
また、併せて本日頂戴したメールも掲載したいのですが。。。
重ね重ねお願いばかりで申し訳ありませんがどうぞよろしくお願いいたします。


すると、最後に書いた追伸欄にお返事いただき、過分なご感想を頂きました!

04.04.05 件名:Re:ご感想ありがとうございました。
吉村さん
 桜の花はこちら静岡でも散り始めています。
花の命は短くてと詠まれるように見事に咲いた後だけに一抹の寂しさを感じえません。
しかし生命力に満ち溢れた春の息吹の前では感傷に耽るより、その心地よさに身を任せたほうが賢明のようです。

今般のゼニアのヘリテージに関してはやはり生地の良さ重要なポイントだと感じました。
前回お願いをしたロロピアーナでも独得のヌメリ感はあり、多くの人から良いスーツとお褒めを頂いたのですが、それと並べてみるとロロピアーナが普通のスーツに見えてしまうほど存在感があります。
やはり各部に施された特別仕様の効果なのでしょう。まさにパワースーツと言い得るものに仕上がっていました。
それと着用感ですが肩の納まりが自然で、実際の重量より軽く感じます。
ネームの共色の刺繍も洒落た感じでお気に入りの一着になりそうです。
本バス・クラシコ仕様以外は今後はお願いしたくなくなりました。
この上は一生懸命着込んで早く体になじませたいと思っております。

貴社HP掲載の件ですが了解いたしました。御社の益々のご発展を祈念致します。
この度はお世話になり有難うございました。今後も宜しくお願い致します。(静岡県 H)


...ということで、クラシコ2は無事いつものご満足を越えたレベルでお仕立が完了いたしました。
このスーツは、高価・高級すぎて普段着るスーツには不向きかも知れませんが、何か自分にご褒美をしてあげたい時やここ一番大勝負がある時などにはきっと皆さんの役に立つスーツになると思います。
お時間があり、金銭的なゆとりのある方はぜひお試し下さい。