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オーダースーツのヨシムラ
お客様!ありがとう!
オリジナル仕様がぞくぞく出来ました! 
季節はジメジメ、ジトジトの梅雨真っ只中ですが、皆さんいかがお過ごしですか?
私の方は、仕事柄 靴やスーツには特に気を遣いますのでこんな時期は外行きと店内用と使い分けをするので大変です...

それはさておき、先月ご紹介した当社オリジナルの仕様が続々と仕上がってきました。
前回はご案内できなかった仕様も含めご紹介しますので是非ご覧下さいね。

その前に前回のおさらいから >>>

■ オリジナル仕様1 タブ付き本切羽
タブ付き...といっても言葉では分からないと思いますのでイラストで紹介するとこんな感じの本切羽。
お客様があるインポートブランドをお持ちになりこれと近いものが出来ないかご依頼頂きました。
なかなか洒落っ気のある面白いデザインです。

そこで、早速前掲の型を起こし工場へ送ってTELで依頼すると...
『えっ?何ですかこれ?こんなのやったことないですよ・・・』
何のためにこんなの付けるんですか...』...とつれない返事。

何のため? >>> そりゃカッコ良いからに決まってるじゃないか!ふざけんな!×××

繁忙期の5月は工場も目先の仕事に目を奪われてなかなか言うことを聞いてくれません。
「あぁ、何で職人というのはこうも気を遣って、間を見計らいながら話をしないといけないんだ...」と思いつつも、ちょうど当社の職人白崎が別件で工場のある青森へ出張することがあり、
よっしゃ〜、それなら青森まで乗り込んでもらい直接説明して貰おう!
これなら工場も逃げられまい。しめしめ。

...ということで、ようやくできたのがこれ!

どうですか、当の本人(私)も慣れないので上手く開閉できず戸惑っていますね。。。

ちょっと脱線・・・
の画像をご覧になって「おっ、吉村さんこの仕様でスーツを作ったのか?!」と思われた方多いと思います。
...が、実はこれは袖だけ、自腹で見本服を作っている身として今回はスーツは不要だったので袖だけ作ってもらいました。
実は、画像のような格好で写真を撮りました。(笑)

これなら安く済むし。。。展示用には袖だけで十分です。
ちょっとだけケチな私でした。その分2着目は自腹で作りましたからね。
■ オリジナル仕様2 逆本切羽
「逆本切羽」これも何やら聞き慣れない言葉ですが、こちらは本切羽のボタンが外に出ないで内側に出るタイプの本切羽です。
この手の袖先はスナップ等ではあるのですが、ボタンそのものが内側に向いているのは他にないです。
見た目には袖先にボタンがなく、非常にスッキリして見えます。

こちらも別の客様からご依頼があったのですが、技術的にはさほど難しくなかったのでその時はボタンホールを手付けで仕上げてお納めしました。(ここまでは前回ご案内の通り)

...ですが、私共はお値段をそこそこに抑えつつオーダーを楽しむイージーオーダーですので1着1着ボタンホールを手付けにしていては価格的に合いません。
そこで工場に量産をお願いしなければならないのですが、これもまた白崎に工場まで指導に行って貰い解決しました。

それがコレ! >>> 今度は自分のスーツで試してみました。
素材はロロピアーナ ジランダーの濃紺
デザイン的には2Bでスッキリまとめながらも実は襟などは別型紙を用意した特注品

ご覧になっていかがですか〜?
全体像を見ると袖にボタンがないだけでかなりスッキリ見えますね。
2つのオリジナル仕様 皆さんご覧頂いて如何でしたか?
ちなみに両仕様とも量産化はこれでOKです。
縫製工場も最初は嫌がることが多いのですが一度やってしまえば後はむしろ量産化して(言い方悪いですが...)工賃を取った方が良いわけですから工場の方も了解してくれました。

これで新しいオプションの誕生です。
ちょっとお値段が上がってしまいますが、次のようにいたしました。
タブ付き本切羽 >>> 3,150円(税込)
逆本切羽 >>> 3,150円(税込)
通常価格と比べて+1,000円ですからよろしければ皆さんも是非チャレンジしてみてください
結構オリジナルな逸品になりますよ〜。

・・・と、ここまで前回お約束したオリジナル仕様をご紹介しましたが、わざわざたった2つの追加のためにここまで原稿を作る?
いえいえ、読者の皆さんが期待されるなら、その期待以上のことをしなくては...

ということで、更に2つ追加です。(本当は3つなのですが最後の1つは後日また)
こんな仕様もありますのでご参考に...

■ オリジナル仕様3 隠しチェンジポケット
これもあるお客様からアイデアを頂きました。
オリジナルは英オズワルドボーティングのスーツ。
普通チェンジポケットというと腰ポケットの上に付けますが、これはそれを腰ポケの下に付けたもの。
下に付けることで腰ポケットのフタに隠れてしまいますので「隠しチェンジポケット」というネーミングにしてみました。

実は前掲の私のスーツで一緒にこれも付けていてこんな雰囲気です。

これもスーツのアクセントですので、わざとピンクの裏地で玉縁を作って目立たせてみました。
フラップを中に入れない限りは分かりませんからね。。。(標準仕様では表地で玉縁を作ります。)

どうですか?
これまたカッコ良いアイテムですね。

ちなみに気になるお値段の方は、こちらは付ける場所だけの違いですから従来通りの+1,000円です。

■ オリジナル仕様4 カラフルなカラークロス
皆さんはあまり意識したことはないかと思いますが、スーツの襟裏には滑りを抑えるためフェルト状の生地でカラークロスというものを付けています。 (この場合のカラーは色のColorではなくて、襟のカラーCollarです。)
一般的にはこれは生地と同系色の物を使いますので、非常に目立たない存在ですが、それをアクセントに加えてみるのは如何でしょうか?
(そういえば、大阪のお客様いらっしゃいでもやっていたような。。。)

実は私は今年仕立てる自分用のスーツの裏地は全てピンクにしようと目論んでいます。
このため今回も濃紺というフォーマル感のある生地ながらピンクの裏地(Z494-6)を使っていまして、色のバランスを取る上でも他の場所でもピンクを使いたかったのです。
画像は今年作った別のスーツです。ほらっ、ピンクの裏地を使っているでしょ。)
そこで今回は前述の隠しチェンジポケットも表地で作る玉縁の代わりにピンクの裏地にしてアクセントにしましたが、更に上に行こうとカラークロスまでピンクにすることを思いついたのです。
...その上写真撮影の日はわざとピンクのネクタイで。。。

なかなかここまでいくと評価は分かれてしまうかも知れませんが、洋服屋らしい服装になったのではないでしょうか?

・・・と、いつも色んなことを考えている当社でした!
オリジナル仕様というものを求め、私もいつも ない知恵を絞って奮闘しています。
..が、日々過ごす日常の中ではどうしても視野が狭くなり、斬新なアイデアというのはなかなか見つかりません。

ですから読者の皆さんやお客様からのアイデアも必要なのです。
皆さんもアイデアがあれば是非お持ち込み下さいね〜。