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オーダースーツのヨシムラ
お客様!ありがとう!
 寒くなりましたコートの季節です。 
今年は暖冬と言われ続けましたが、それでも12月も下旬になると首都圏でも初雪が見られるようになりましたからやはり朝晩の通勤は寒いですね。
そんな時どうしても欲しくなるのが暖かいコート
でも、コートというと重く、持ち運びが面倒、値段もそこそこ張るということもあり、いざ買うとなるとなかなか勇気が必要です。

そんなコートですがこの冬当店では楽天市場支店の期間限定サービス商品として
伊ロロピアーナ社製100%カシミヤコート  98,000円(税抜)
アンゴラ100%ジャケット 39,800円(税抜)
・・・で販売したところ大変なご好評を頂きました。

そこで今回はご注文までをご紹介したお客さまいらっしゃ〜いに引き続き、ここにご登場された3名のお客様の仕上がりを追跡調査してみたいと思います。
さてさて、どんなコートになったでしょうか?
皆さんもこの冬のコートを考える上で、またコートのオーダーではどんなことがポイントになるか等是非参考にしてください。

それでは早速 東北は宮城県名取市のTさんの出来上がりからご紹介
■ 宮城県名取市 Tさんのコート ■
Tさんからはダブルのチェスターフィールドコートをご注文いただきました。
素材も肉厚で目付もたっぷりあるロロピアーナ社製のピュアカシミヤでしたから重厚感あるチェスターコートには最適の素材でした。

デザイン的にはこんな感じ・・・(ご注文時のメールより抜粋)
生地 グレーのヘリンボーン ロロピアーナのカシミヤ
ダブルのチェスターコート 6つボタンの2つ掛け
裏地は黒のキュプラ
お台場仕様(生地が厚すぎることがなければ?)
袖のボタンは4つで本切羽(可能であれば)
着丈は110cm(身長168cm)
そして、出来上がりはこんな感じになりました。
どうでしょうか?
Tさんは多少横幅がある方ですので、やや大きく見えますがなかなか他を圧倒しそうなチェスターコートですね。
着丈が長いため、Vゾーンも多少深めにしてバランスを取っています。
またスーツの内側(右画像)は起毛した獣毛コートの場合はゴワゴワすることもあるので場合によってはお台場仕上げは付けないことを提案することもあるのですが、折角のピュアカシミヤですし、何といっても末端価格30万は下らないロロピアーナ社のコートですから贅沢にお台場仕上げをお付けしています。(おまけでチケットポケットも
そして仕上がりをお送りした後Tさんからは次のようなご感想を頂きました。)
04.12.23 件名:RE: コートの方はいかがでしたか?(大変満足です・・・)
ヨシムラさん
今週に入り仙台も寒い日々が続き冬らしくなりました。
さて、コート届きました。
サイズはピッタリで、仕立てもきちっとしています。
本日早速、コートを着て外出いたしました。とても暖かく、着心地も良く
とても満足でした。
ただ2点ほど気になることがあります。

1つ目は、着る時にちょっと困ったことでした。
コートの前身ごろで、内側と外側を留める時、前回は外側の裏に紐がついてその先にボタンホールがあり、内側のボタンに留めるやり方ですが、今回は、外側の裏にボタンがついて内側のボタンホールに直接留める方式です。
不慣れなせいかなかなかボタンを留めることができませんでした。
どちらが一般的なのか分かりませんが、今回の方式は使いにくいです。
これから慣れれば気にならなくなると思います。

2つ目は、生地についての質問です。
生地の中に時々
茶色の糸が混ざっています。
全体でも3箇所程度で、かつ とても小さいので普通には全く分かりません。
素人なので分かりませんが、何か意味があるのでしょうか。
それとも、単に違う糸が混ざったのでしょうか。
教えてください。なお、実用上は問題ありません。

気になった点は以上ですが、全体的にはとても気にいりました。
これから寒い日が続きますが、とても暖かく重宝することと思います。大切に着たいと思います。
それでは、皆さま良い年をお迎えください。(宮城県名取市 T)
★☆★ SHOPMASTERから一言・・・ ★☆★
Tさん、ご感想有り難うございます。
全体的にお気に召して頂けたとのこと。嬉しく拝読させていただきました。
でも、気になる点ということでご指摘いただいた点もありましたので次のようにお返事いたしました。
04.12.24 件名:ご感想有り難うございました。
Tさん
 こんにちは、オーダースーツのヨシムラ(吉村)です。
今日はひょっとすると宮城ではではホワイトクリスマスでしょうか?
東京でもかなり冷え込んでいますがいかがお過ごしですか?

さて、昨日はご丁寧にご感想を頂き有り難うございました。
仕立ての方もバッチリ、サイズもピッタリとのことでホッと一安心すると共に、これを着られて今日のクリスマスイブを過ごされるのかな?
と、ちょっと羨ましく思いました。

ところで「気になる」とご指摘いただいた点ですが次の通りです。
1.ダブルの打ち合いについて
>>> これはダブルのスーツでも同じなのですが、ダブルの打ち合い部分は脇の下から吊り下げたヒモにボタンを留めて安定させるタイプ左見頃の内側に直接ボタンを留めるタイプの2種類があります。
どちらがより正統派かというと現代ではどちらとも言えませんが、歴史的に見るとボタン留めの方が正統派だと思います。(反面、現代ではヒモで吊す方がスーツの場合は逆に一般的です。)
そして今回のコートでは丈が長くVゾーンの広がりがスーツより大きいこともありまして脇の下からあまり長い距離吊り下げるのも良くないかと思い、勝手ながらボタン留めにしてしまいました。
事前にこの辺までアナウンスできれば良かったのですが気が回らず申し訳ありませんでした。

2.生地について
>>> こちらは、私自身の物や少しばかり残っている反物を調べてみましたがやはり同様のことが起きておりました。
生地で見ると1mにつき1箇所か2箇所、ランダムに茶色い糸が点のように入っているのですが、こういった場合規則的に入っていればそれは傷になりますが、どうやらそうでもなく、あくまでランダムに入っています。
この点については、見方によりますが、実の所企画のウルサイ日本ではクレームになりうる部分かも知れませんが、外国特にイタリアでは非常にありがちというか、こういったところまでの意識がラテン系の人種には足りないのです。
ですので、お気を悪くしていただきたくないのですが、インポート物ならではのこととご理解いただければ助かります。

※:実際の所、ロロピアーナ社などイタリア系メーカーですと、例えば2重ストライプの一部が平行ではなく寄ったり離れたりして、多少波を打つようなことがあります。
また、先日当社でオーダーしたロロ社のドスキンなどはストームシステムという高価な加工が勝手にされていたりと、稀ですがイタリア人のいい加減さに戸惑うことがあります。
勝手な申し出かも知れませんが、こういったイタリア人のアバウトさがあるからこそ日本人にはできない感性の素材が出来ることもありますので出来ればご理解いただきたくお願い申し上げます。

以上 長くなりましたがご案内いたしました。
それでは年末は寒くなりそうですがTさんもどうぞ良いお年をお迎え下さい。
また風邪など召されませんようお気を付け下さい。
ご感想有り難うございました。
オーダースーツのヨシムラ SHOPMASTER_吉村_雅隆

★☆★ SHOPMASTERから一言・・・ ★☆★
Tさん、年始の初詣でも是非ご着用下さいね。
ありがとうございました!

続きまして、今度はアンゴラのご注文のお客様をご紹介。

■ 横浜市 Uさんのアンゴラコート ■
こちらは >>> いきなりですが、こちらはちょっとやっかいなこと(クレーム)になってしまいました。
詳細はメールと実店舗でのお話が混雑しているためうまく書けないのですが次のようなことでした。

< ご注文時のポイント >
アンゴラコートは軽いのでビジネスとカジュアルの兼用コートが欲しい
デザインは兼用を意識してショート丈のバルカラー

出来上がりもまずまずの出来映えでしたので早速仕上がりをご案内すると、
お仕事帰り(?)にご来店。
試着も無事済ませOKだったのですが、その際私自身が直接お会いできなかったこともあり、その後ご感想を伺うメールをお送りすると...

アンゴラコートの出来栄え、不満なのですが...というメール。

「えっ!!何故?わざわざご試着にお越しになり確認したのに何故?

聞けば、仕事帰りに試着した際はスーツの上から試着したため全然問題なかったのだけれど、家に帰って上着を脱ぎセーターを着用し試着してみると、どうにも腰回りが緩く締まりがないとのこと。

う〜ん、これには私も困りました×××
・・・というのも、カジュアル兼用と最初ご相談を受けた時にはデザイン面での兼用と認識してしまい、サイズ面でのカジュアル兼用とは認識していなかったのです。
デザイン面での兼用とは、つまり例えばチェスターコートはビジネス向けだから兼用にはならない。 でもショート丈のコートならカジュアル向けにもなるしビジネスでも使えるオールマイティーコートに適す...ということです。

このことは言い回しが難しいのですが誤解を恐れず言うと、テーラー側の論理ではごく当たり前のこと。
上着を着るのと着ないのとを兼用できるようなサイズの仕立ては出来る訳がなけがなく、それだけ上着によるサイズUPは大きいのです。

つまりサイズ面での兼用を意図してのご相談だったら最初からそんなマルチサイズのコートは出来ない、とご案内しなければならなかったのです。
この辺はUさんもご存じのはず。。。と思ってしまったところに私の隙がありました。

どこの世界にもその業界の中では常識であることも、一歩その業界を出てしまうと世間では知られていないことって多いですよね。
今回のことは正にそういったことでお店側に悪意は全くなかったとはいえ、あらぬ誤解を生みだしてしまいました。

・・・ということで、Uさんのコートはお直しのため越年することに...

ちなみに、怪我の功名でコートが戻って参りましたのでサイズが近い私が試着して今のことを実践しますと下の画像のようになります。
左の方は、スーツを着用した中での試着ですのでほぼピッタリ、良い感じです。
でも右の方は、ジャケットを脱いで来ているためやはりダバダバします。
Uさんご迷惑をお掛けしました。(-_-;)

そして気を取り直して最後は横浜のKさん。

■ 横浜市 Kさんのアルスターコート ■
こちらは大きな衿と、ウエスト絞りが軍服っぽくシャープなのが特徴です。
大きな衿はなかなかインパクトのあってお洒落なデザインです。

そして出来上がりの画像はこんな感じ。
何か、第2次大戦中 ロシア戦線での士官コートみたいで格好いいですね!
そしてKさんからはこんなメールを頂きました。
(正直3名ご紹介してようやく100点満点を頂けてホッとしています。(^^;)
04.12.25 件名: Re: コートはいかがでしたか?
吉村さん
こんにちは。Kです。アルスターコートは無事届き、早速着てみました。
しっかりした生地なので重いものを想像していましたが、思っていたよりも軽く仕上がっていました。
もちろん防寒性にも問題ありません。
自分が欲しかったアルスターコートがなかなか見当たらなかったのでオーダーしようと思ったのですが、ヨシムラさんにお願いして
正解だったと思っています。

あと今回は直接来店せずにメールでのやり取りとなりましたが、文章で自分の望むデザインを伝えるのは難しいものだと実感しました。
自分では最初から「アルスターカラーのチェスターコート」をお願いしているつもりだったのですが、文章の拙さから誤解を与えてしまったようで申し訳なかったです。
なお、クリスマスは残業でした… (横浜市 K)
★☆★ SHOPMASTERから一言・・・ ★☆★
Kさん、ご感想有り難うございました!
最近でこそWeb検索等で昔よりは容易に画像をやり取りすることはできるにようになりましたが、なかなか自分のイメージを相手に伝えるって難しいですよね。
特にメールだけですと「言外の含み」をお互い意識しなければならないだけに大変です。

でも、こうしてお互い苦労した上で満足するものが出来るとお客様も『自分も参加して作っているんだぞ!』という気持ちになりませんか?
これもオーダーの喜びですね。



以上で今回のお客さまありがとうはお終いです。
年末最後のご案内が1勝1敗1引き分けというのはちょっと残念な結果となってしまいましたが、人間関係がキチンと構築できていれば、失敗は次への布石になることだと前向きに考え、来年以降の精進を誓った私でした。
お客様のことを勝ち負けで書くのは失礼ですが、文意をお汲み取り下さい。
今年も1年皆様には大変お世話になりました。
良いお年をお迎え下さい。
(2004年12月29日初雪の降る東京店にて執筆)