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Before & After 第2弾!
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皆さん、ついにやって来ましたね... 一年で最も憂鬱なこの時期が...そう、梅雨です! 今年の梅雨は雨が多いのか、少ないのか?どちらでもこれから徐々に気温も湿度も上がってくるかと思うと、スーツを着なければならないビジネスマンにとっては辛い時期の始まりです。 また湿気が多いと髪の毛も纏まらなくなり、ロン毛の私にとって鬱陶しい日々が続きます。(じゃあ、切れよ!←某大阪店スタッフのコメント) さて、今回は先日のビンテージクロス企画にて、何とスーツとコート!(←時期外れですが..)2着もご注文頂いたFさんの出来上がりをご紹介したいと思います。 その前に恒例?のFさんのプロフィールを簡単にご紹介したいと思います。 今回Web初登場のFさん、非常にカタ〜いお仕事をされております。(←鉄関係ではありません) 見た目は少々、イカツいのですが(Fさん、ゴメンナサイ)、お人柄はとってもあっさり、穏やかな方です。 実は今回、Fさんはビンテージクロス企画が目的では無く、同じタイミングで開催してましたロロピアーナのサービス企画に入札されるため、生地の下見に来られた際に偶然にも?ビンテージクロスと出会い、ロロピアーナの生地の下見はそっちのけでのご注文とあいなりました。 それではチョットづつ小出しにしながらご紹介して行きましょう! |
■ まず、一着目のスーツは... ■ | |
●生地は・・・“CERRUTI”(チェルッティ)ブラウンのマルチストライプ柄 >>> モヘア混特有のハリと光沢感があふれる非常にビンテージらしい素材感です。 柄いきは凝視すると、濃いブラウンにブルー、オレンジ、ベージュが交錯するマルチストライプとなり、生地だけを見るとビジネスには使いづらい印象ですが、ところがどうして、スーツにお仕立てするとこんなに印象が変わります! |
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いかがですか、皆さん? 多色使いのイヤらしさなど微塵も感じさせない非常にクラシックな雰囲気が出ているでしょう!? 正にこれぞビンテージマジック!(チョット、大袈裟かな?) ● デザインは・・・3つボタン中掛けのピークドラペル >>> こちらはフェア期間中にBefore & After第一弾として、東京のNさんよりお借りしてましたスーツをご覧になられてすんなりと決まりました。 コンセプトはやはり“30’s Style”で。 ただ、当時のスタイルそのままだとビジネスでお使い頂くにはいささか無理がありますので、今回は21世紀風のアレンジをしてみました。 まずジャケットですが、衿巾は程良い広さの9センチで下衿をストレートのカットすることによりシャープな印象に仕上げました。 ボタン位置は高め、ウエストもタイトめに絞り、ハッキングポケットでバスト部分にボリュームを持たせ、重ねてアームホールを小さく、袖を細めし、さらにウエストシェイプを強調しました。 着丈も標準値より約2センチ短くし、サイドベンツもやや深めの切れ込みを入れると、腰高、脚長に見せることが可能です。 裏仕立ても私の得意とする玉縁に別布(ワインのストライプ裏地)をバイアスに使い、アクセントを効かせました。 ちなみに今回のような非常にハリのある生地の場合、胸のドレープをキレイに出すためにはお台場仕立ては付けない方がbetterです。 続いてパンツですが、本来の“30’s Style”のシルエットは股上が非常に深く、ワタリ、ヒザ、スソにかけて極端に太いスタイルとなりますので、今回はジャケットとのバランスを重視して全体的にややタイトシルエットとし、ヒザ位置を高く、ヒザ下ストレートでスソはダブルでの仕上げ。 全体的なイメージとしてはトムフォードのスーツを意識してサイジングしてみましたが、いかがでしょうか? 個人的には雰囲気はとても良く出ているとは思ってます。 きっとFさんも喜んでくれるでしょう! (↑まだご試着に来られてません...おそらくこの原稿を先にご覧になることでしょう) |
■ 続いて、2着目のコートは・・・ ■(今回はこれが主役♪) | |
● 生地は・・・“Scabal”(スキャバル)ベージュのヘリンボン柄 >>> こちらの生地はFさん、Nさんのスーツを見て一目惚れ! 次回のビンテージクロスフェアでもBefore & Afterとして使いたいので、勘弁して貰えませんか?...と懇願しましたが、 Fさん、“これいいな〜!ここで出会ったのは何か深い縁を感じる...” “このタイミングを逃せば、もう2度と出会えない気がする!” ...とまで仰られてはお断りするわけにはまいりません。 東京SHOPMASTERの顔がアタマの中にちらつきながら、 “どうしよう〜、怒られるかな?”と思いつつ、 やはりお客様第一、きっと分かって貰えるだろうと勝手に?判断し、Fさんご希望のコートとしてご注文をお受けすることになりました. ※ 後程、東京SHOPMASTERへ報告したところ、 “ええっ〜!イタイな〜、次も使いたかったのに〜、 でも仕方ない、お客さんが喜んでくれるなら、いいよ!”との快い返事が。 ハァ〜、よかったぁ〜(←実はマジで怒られると思ってました) ● デザインは・・・シングルピークのチェスターコート >>> 生地の柄いきはスーツオンでもカジュアルでもOKですが、主にビジネスでお使いになられたいとのご要望でしたので、デザインはスーツの延長で、サイジングはビジネスユースを基本に行いました。 ただ、今回一番アタマを悩ませたのは、着丈の長さです。 何故かと言いますと...期間中にこの生地を持ってみられた方はお分かりかと思いますが、何しろ重い!! 風合いとデザインから考えると、断然着丈はロングの方がカッコいいのですが、着ていて肩の凝るコートでは意味がありません。 そこで着丈の長さはヒザ下3センチのセミロングで、また少しでも軽くするために芯地や肩パットは最も軽量な薄手のものを使用しました。 その甲斐あって、思った以上に軽く仕上がりました! どうぞその苦心の末の仕上がり具合を見てやって下さい! |
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いかがでしょうか?スーツ同様、程良く絞ったウエストラインが胸元をたくましく、セクシーに魅せているでしょう! Fさん、早く取りに来てくださいよ〜 以上、今回のご紹介をあいなりました。 今回のビンテージクロスフェア、大阪店でも予想以上のご注文を頂きました! 期間中にご来店、ご注文頂きました皆さま、ありがとうございました。 次回の秋冬物も是非開催したいと思いますので、どうぞ首をなが〜くしてお待ち下さいませ。ではでは... |
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執筆:南浦(大阪店)
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◇◇◇ 最後にちょっと...◆◆◆ | |||
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