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オーダースーツのヨシムラ
お客様!ありがとう!
 細身のチェスターコートが出来上がりました。(大阪編)

 日増しに寒くなり街中でもアウターをお召しになられた方をチラホラ見かけるようになりましたがようやく冬のシーズン本番ですね。
私も何時からアウターを着ようか頭悩ませておりますが行き帰りの電車の暑さを考えるともう少しアウター無しで頑張ろうかなどと考えています。

さて、今回は前回ご紹介致しましたTさんのチェスターフィールドコートが仕上がって参りましたので出来上がりをご紹介させて頂こうと思います。
ご注文内容などは前回ご紹介しておりますので下記よりご覧下さい。

10.11お客様いらっしゃ〜い 細身のチェスターフィールドコート(大阪編)

Tさんからのご注文は下記のように決まりました。。
 生地 BL7306
オルメザーノ(伊)ミディアムグレー、フラノ地
 基本デザイン 
シングルチェスターフィールドコート
 衿 ピークドラペル、ハイゴージ
 フロント釦 比翼仕立て
 袖ボタン 重ね切羽、ボタン4つ
 腰ポケット ハッキングポケット プラスマイナス1.5センチ
チェンジポケット付き
 ベント センターベント、ボタン無し
 裏地 キュプラ Z555-202(コート用裏地、ツートン)
ブラウン
 ステッチ ミシンステッチ0.5センチ
 ボタン 本水牛、つや消し茶色
上記の様にご注文内容が決まりましたがTさんからはジャケット無しでお召し頂く軽く羽織れる感じの細身のシルエットがご所望でした。
そこで工場が持っている通常のコートの型紙では当てはまらない為、スーツ上着の型紙を流用して貰い仕立てることとなりました。
生地も通常ならジャケットに使用するオルメザーノのフラノ地ということでこれも軽く羽織れそうですね。

そんなこんなで待つこと2週間弱、ようやく仕上がったコートがコチラです。

さて、いかがでしょうか?
一見、デザインなど通常のチェスターフィールドコートと変わらないのですがサイズをタイトに仕上げておりますのでシャープな印象に仕上がったと思います。
チェスターフィールドコートは数あるコートの中でも一番フォーマル度が高くどの様な状況でもお召し頂けるのですが今回は形はフォーマル度を残しつつタイトなサイジングでスポーティーに仕上げました。
ボディーは通常の大きさですがこのコートのタイトさがお分かり頂けると思います。

※ボディーに着せても前ボタンが掛けれない位、細いのでハンガーでの撮影となりました。ご容赦下さい。

それではこのコートのデザインのポイントをご紹介していきたいと思います。

□□□ ピークドラペル □□□
今回はシャープな印象にする為にラペルはピークドラペルにて仕上げました。
もしもう少し柔らかな雰囲気でお考えの場合はノッチドラペルでもお仕立ては可能です。

また、本来のチェスターフィールドコートでは上衿の部分に黒のビロード地を用います。

□□□ ミシンステッチ □□□
この部分はよく見落としがちなのですがコート地は肉厚となる為、通常のAMFステッチでは生地に埋もれてしまい、ステッチが目立たなくなります。

そこでミシンステッチが有効となるわけですが今回は余りカジュアルになりすぎない様、5ミリの位置に入れました。
生地の厚みによって使い分けるのですがカシミヤなどの肉厚の生地でしたら7ミリ〜1センチの位置に入れてもよいですね。

今回はジャケットに使用することが多いオルメザーノのフラノ地でしたがジャケットを仕立てる場合も考え方は同じでその生地の厚みやどれくらいスポーティーにするかによってステッチを入れる位置を変えてみるのも面白いです。

□□□ 本切羽 □□□
スーツではよく見かける本切羽ですがコートの場合は選ばれる方がグンと少なくなります。
コートの場合は確かに外すことは少ないですが今回の様にジャケット感覚で羽織るコートですとこの様な細かな仕様で楽しまれるのもよいですね。
今回はイタリア風に重ねましたが英国風にいくなら重ねずに付けられると正統的なコートに仕上がります。

□□□ 比翼仕立て □□□
フロントはウチヌキ比翼の2種類からお選び頂けますが今回はシンプルに比翼でのお仕立てとなりました。
私のイメージでは比翼の方がフォーマル度が増すと考えておりますがスポーティーにいくならウチヌキでボタンをアクセントにしてもよいですね。

□□□ チェンジポケット □□□
フォーマル度が高いチェスターフィールドコートですから本来、チェンジポケットは付かないのですが今回は付けてお仕立てしました。
Tさんも悩まれていた部分ですが比翼仕立てでシンプルにしたのでアクセントにと加えることになりました。
またハッキングポケットですので視覚的に細長く見える効果が有りますからよりタイトに見えると思います。

さて、ここまでお読み頂くとお分かり頂けたかと思いますが仕様などお選び頂く所は通常のスーツと余り変わりないということですね。
フォーマルに着るならともかく普段使いで有ればどれが正しいということは有りませんのでお好みの仕様でお仕立て頂ければと思います。

この様に仕上がったコートですがTさんのご都合でご着用画像が間に合いませんでした。
残念...
機会が有ればご紹介したいと思いますのでご容赦下さい。

それでは今回はこの辺りで失礼致します。
次回をお楽しみに〜!!
(大阪SHOPMASTER 山橋)