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オーダースーツのヨシムラ
お客様!ありがとう!

 スマートなリクルートスーツの完成です!
そろそろ6月になりますが、街中では7割方の方がシャツ姿で出勤されていますね。
クールビズも6月になると更に加速していきそうですね。
気を抜かず、スタイリッシュなクールビズを心がけてほしいところです。

さて、そんな気温も上がってきましたが、先月ご紹介させて頂いたN君リクルートスーツが出来上がって参りましたので、ご紹介させていただきます。
早速、近々スーツを着用する機会もあるようで、今が勝負!!といったところでしょうか。
是非、新しいスーツを着て頑張りましょう!

それでは、頂いたオーダーの内容を再度ご覧頂きながら、仕上がりを画像と共にポイントをご紹介させていただきます。

■ デザイン ■
 生地 G6054 紺無地 英JOHN ROBERTSHAW
英国調のしっかりとした織りと深みのある色味は、シンプルなデザインにも最適です。
イタリアの艶やかな生地は、面接などでは少し色気が強くなることもあるため、英国物の生地か、国産の生地をオススメしています。
<上着>
 フロント シングル2つボタン
 ベント
センターベント
 袖口
4つボタン本切羽
 脇ポケット フタツキ
 裏仕立て
総裏
 ボタン 本水牛:艶無し焦げ茶
 備考 キュプラ裏地:Z494-5(クリアシルバー)
身体に合わせてタイト目
<下衣>
 タック ノータック
 脇ポケット ナナメ
 ピスポケット 両玉左ボタン止め
 裾口 シングル
 備考 裏付属黒使用、モーニングカット

今回ご注文頂いたスーツの目的は、「就職活動用」スーツということから、全体的にシンプルかつクラシカルなデザインにしています。
スーツがメインにならず、着る人本人の個性を引き立たせるには、あまりデザインに固執しないシンプルなデザイン、生地をセレクトすると効果的です。

● ポイント1:おすすめ生地

そこで、就職活動用のスーツとしてオススメなのが、やっぱり無地です。
柄物や織り柄物のスーツでは、なかなか自分自身の中身をアピールしたいのに、スーツの柄がじゃまになり、うまくストレートに伝わらない場合もあるからです。(もちろん業界にもよりますが...)

その分、無地物は素材自体の個性を抑え、主張しすぎないため、より着用している本人の魅力を伝えやすくなります。
ただ、無地物だったら何でもいいわけではありませんよね。
薄いスーツは、軽やかで、爽やかな印象を与えてくれますが、大半が目立ってしまい、好印象ということにはあまり結びつきません。
目立つのは、服装ではなく、ご自身の中身で目立ってほしいものですね。

そこで、オススメするのが「紺無地」「チャコールグレー無地」です。
黒無地じゃないの?と思われる方も中にはいらっしゃいますが、メンズの場合黒無地のスーツはどうしても略礼服のようになってしまうからです。
慎むといった意味もあることから、決してそこまで慎む事もありませんから、紺またはチャコールグレーの無地に絞ることをオススメします。
現状当社の割合としては、圧倒的に紺無地が多くなっています。
昔は、チャコールグレーの3つボタン!というスタイルが定番だったようで、時代の移り変わりもあるようですね。

ちなみに、レディースではチャコールグレーが多いようです。

そして今回、ご注文いただいたのは、英国に留学していたN君のストーリーに基づき、英国ブランド 「JOHN ROBERTSHAW(ジョンロバートショー)」を選択。
生地を選ぶ際にもとても悩んでいたようですが、紺無地といっても、赤みが強い紺や、青みが強い紺、薄い紺や、濃い紺など、比較すると様々な紺無地が存在する中、とても気に入って頂いたのが、このジョンロバートショーの紺無地でした。
英国スピリッツを感じ取ったのでしょうか?

生地が決まると、もう一つのポイントであるデザインが重要になってきます。
● ポイント2:おすすめデザイン

【上着】
・フロントデザイン:シングル2つボタン
・脇ポケット:フタツキ
・ベント:センターベントorサイドベンツ

【下衣】
・タック:1タックorノータック
・裾口:シングル

上記が極力シンプルになるデザインの選択箇所で、その他については、お好みによって選択頂いてもよろしいと思います。
また、必ずしも上記デザインにしなければいけないという事もありません。
ポイントは、没個性
就職活動での目的は、自分の良さを最大限伝え、自分がこれから何ができるか、どのようにしていきたいか、それにより会社にとってどのような利益につながるか等、自分のアピールを行うことにあります。
自分の意志を相手に伝えるためにも、邪魔になるような物は省いて、よりシンプルな服装を心がけましょう!
● ポイント3:おすすめシルエット

ご注文時に着用していたスーツは、既製品の非常にタイトでショートなスーツ。
ただ、今回希望されているのは、所謂、就職活動用スーツということで、あまり自分の好みを全面に打ち出せません。
そのギャップがとても難しいところで、なんかダボッとしているなぁ、とか、やっぱり大きいかなぁ、といった感情を本人に持たれると、それだけでもモチベーションに差し支えます。
何でもそうですが、バランスって難しいですよね。

そこで、重要視していたシルエットのポイントをご紹介させていただきます。

ポイントは、流行のぴっちりとしたタイトな仕上がりにせず、違和感と無理のないすっきりとしたシルエット、です。
スーツではタイト目にスッキリと見せたいということで、よく胴回りを詰めることがあります。
ただ、こちらはイージーオーダーの場合、限界があり、その限界以上まで絞ってしまうと、胸の厚みが必要以上に強調されてしまい、曲線も美しくありません。

では、どのようにスッキリ見せるか... といいますと、以外と盲点なのが、袖の細さです。
オーダーの場合、基本的には、袖幅を1センチ程でしたら採寸時に詰めることができます。

袖周りを細くするということは、正面から見ても、胴回りに空間が開き、タイトに見え、横から見ても、スッキリとした印象を与えてくれます。
この辺は、直接着心地にも極端には影響してこないところですから、積極的に案内していきたい所でもあります。

こちらが、袖をつまんだ状態です。
ウエストラインと、袖のラインの所に空間が空いているのがお分かりになりますよね。

その他には、重要なポイントとして、肩幅です。
イージーオーダーの場合、袖幅同様数値を変更するには、限界があるのですが、肩幅を細くすることにより、視覚的に全体がタイトになります。

例えると、四角形を想像してみてください。 正方形に近いほど太く見え、横の辺が縦の辺よりも短くなると、細い四角形に見えます。 (縦型の長方形みたいな感じです。)
横の辺の幅を決めるのが、この肩幅ですから、細い方がスッキリと見えます。
この様なことから、無理に細くしなくても、全体的なバランスを調整しながら、サイズ面では細くありつつも、身体にあったスーツをお仕立てしました。

そしてこちらが、その全体像です。

全体的にスッキリとしつつ、身体にあったシルエットに仕上がりました。
N君自身の体型も手伝っていますが...
綺麗に入って良かったです。

こちらが、背中のライン。

タイト目にすると、ツキ皺が出やすくなるのですが、とても綺麗に入っています。
これなら、着心地もさぞ軽いのではないでしょうか♪

N君の反応も、非常に喜んで頂き、まずは着心地の良さから、全体的なシルエットまで満足頂いたようで、ようやく安心することができました。
袖先から、見えるシャツもちょうど良く出ていますね。

全体的に満足頂けたようで、このまま高いモチベーションを持って、就職活動に励んでもらえればと思います!

N君、就職したら、またよろしくね(笑!!