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初挑戦!ダッフルコートのご注文!! |
今年も早いものでもう残り1ヶ月となってしまいました。
一年というのは本当にアッという間ですよね・・・ 特に今年は先月辺りから急に冷え込み、夏が長いな...と油断している間にすっかり厳冬になってしまいましたから、ここのところの急な寒さでコートを検討されている方も多いのではないでしょうか? そんな中、今月は当社で初の試みとなるダッフルコートのご注文を頂きましたのでご紹介したいと思います。 実はこれまでも“ダッフルコートが出来れば...”と社内では考えていたのですが不思議とご注文を頂くことがない状態でしたので待ってました!!と言わんばかりのご注文でした。 ご注文いただいたのは北海道にお住まいのOさんです。 きっかけはこの様なメールを頂いたことから始まりました。 |
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これだけでは正直お見積は出せないのですが(...と言うより始めてなので出せない!!)先ずは当社でダッフルコートのご注文をお受けするのが初めてということで工場に縫製可能か否か問い合わせなければいけません。
工場に問い合わせつつ先ずそのことをOさんに正直にお話ししなければ.. |
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その様な訳でOさんには正直にお話したのですが直ぐにこの様なメールを頂きました。
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Oさん、変な物だなんてとんでもないです。
縫製のチャンスを貰えるだけで当社としては有り難い限りです。 また、縫製可能で有れば上京していただけるとのことですので頭の下がる思いです。 Oさんとはこの様に話もスムーズに進み、後は工場からの連絡を待つばかりです。 実はこの時期は工場もハイシーズンに入り猫の手も借りたい状態でフル稼働しておりますからその手を止めてご連絡いただくのも実は結構気を使うのです。 待つこと一日ようやく工場長の手が空き連絡が入りました。
実績3着? 大丈夫だろうか? と不安で頭は一杯です。 しかも今回のご注文はコート地でもカシミヤです。 万が一、失敗するようなことがあったら...。 そんな不安を口に出せばきりがないし、何れにしても工場が出来ると言っているし、詳細は綿密に詰めていけば間違いは無いだろうと言うことで不安を抱きつつも早速Oさんにご連絡です。 |
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その様な訳でお伝えした所、早速お返事をいただきお忙しい中ご来店のご予定を組んでいただきました。
さぁ、頑張るぞ!! その数日後、はるばる北海道からお忙しい中お越し頂きました。 お疲れさまです。 何でもお話をお伺いするとOさんは歯医者さんだそうで、仕事柄スーツを着る機会は殆どなくいつもお仕事中は白衣なのだそうです。 その様なことから出掛けられるときにはコートの下にジャケットは着ずにシャツ1枚で出掛けられることから通常のダッフルコートでは身幅が広すぎて困っているとの事でした。 更に、最近お痩せになられたとのことでこれまで持っていたコートでは大きくなってしまったことからご注文に至った訳です。 Oさんにはこれまでお召しになられていたダッフルコート持参でご来店いただいたのですが今回はダッフルコートの定番ブランドとして知られる「グローバーオール」、「チベット」、「モンゴメリー」のデザイン等も参考にするため工場に画像を送りました。
画像はお持ち頂いたダッフルコートです。 モデルは当社の司茂氏ですが元々ラグビーで鍛えたガッチリ体型でしかもスーツの上から着てピッタリです。 Oさんとは身長が同じくらいですが細いOさんには仰るとおり確かに大きいですね。 そんなこんなでお話をお伺いして生地を決めていただいたのですが今回は当社のサンプル帳のトップを飾るロロピアーナのカシミヤ、BL7300に決まりました。 目付が480グラムとカシミヤを贅沢に使った逸品です。 北海道の寒さにもきっと役立つことと思います。 因みにこの生地は最上級のカシミヤの産地として知られる内モンゴル産の原毛だけを贅沢に使用した逸品です。 「ビーバーフィニッシュ」と呼ばれるビーバーの毛皮の起毛感に似せた特殊な仕上げを施しており何とも言えない光沢感が有り高級感がそこはかとなく漂います。 この様な生地ですから一味違うダッフルコートになりそうですね。 また、ダッフルコートで忘れてはいけないのが「トッグル」と呼ばれる角の形をした前ボタンです。 竹素材ですとか色々種類はあるのですが今回はカシミヤと言うことで高級感も大切に本水牛でお勧めしたいと考えました。 これは当社のグループでフルオーダーの縫製を行う三久服装の吉井工場長にサンプルの調達を依頼しました。 吉井工場長、お忙しい中有難うございました!! そのサンプル帳の中からOさんにお選びいただいたトッグルがこちらです。 今回の生地で普通のコートで有れば通常の本水牛ボタンの黒色を使用するのでしょうが今回のテーマは上品な普段着ということで画像のような本水牛の鼈甲色のトッグルに決定しました。 また、このトッグルを止める紐は黒の革紐を選択し高級感アップを図りました。 今回は袖にタブも付けるのですがこちらも当社で通常使用する本水牛の鼈甲色ボタンを使用します。 カシミヤの上品な黒に鼈甲色のトッグルとボタンが映えそうですね。 仕上がりが楽しみです。 もう一つダッフルコートで忘れてはならないのがフードです。 私たちもご注文をお伺いするのが初めてですので前もって採寸の注意点を工場に聞いていたのですが通常のコートの感覚で採寸すれば問題ないとの事でしたのでホッと一安心です。 ただ一つだけ違う点はフードの大きさを考えなければいけないので頭のてっぺんから第二頸椎までを採寸するようにと言われました。 これをしないと出来上がってから頭の大きい方などはフードが被れないこともあるので要注意とのことでした。 「おー、なるほど!!頭のサイズも測るのか、、、」これはひとつ勉強になりました。 何をやるにも初めての事は覚えることばかりです。 Oさんはコートの下はシャツだけでとのことですのでお好みをお伺いしつつ採寸を行いましたが余り細くなってしまうとモード感が強くなってしまうのでホドホドに細くとのご要望でした。 さてさてどの様に仕上がってくるのでしょうか? 完成が楽しみですね。 Oさんにお話をお伺いすると北海道でもお住まいの地域は真冬は零下40度にもなるそうで東京に住んでいるとその寒さが現実離れしておりとても想像が出来ないですがこのダッフルコートがその寒さにお役に立てば嬉しい限りです。 Oさん、楽しみにお待ち下さい。 それでは仕上がりは次回にご紹介いたします。 次回をお楽しみに〜!! |
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(執筆:山橋)
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