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オーダースーツのヨシムラ
お客様!いらっしゃ〜い!

1年ぶりのご注文です。
春の空気になってきたと思ったとたん寒波による関東周辺の積雪には驚きましたね。
皆さんは交通機関のトラブル等大丈夫でしたか?

日も長くなり、ファッションでは着る服に迷う季節となりましたが、都内ではマフラーをされている方も少なくなってきましたね。

さて、そんなことを言ってみたはいいものの、まだまだ寒い日が続いておりますが、春夏サンプル帳完成後、一時気温も上がったこともあり、ご注文のほとんどは春夏用のスーツをお仕立て頂いております。

そんな中、一年ぶりにご来店頂いたUさんの春夏物スーツをご紹介いたします。

「昨年初めてオーダースーツを作ってみたけど、既製服が着られなくなりました!」
と仰るUさん。
特にオーダースーツとの違いは、肩周りが細いのに楽ということ、パンツシルエット等、全体的にタイト目に仕上がっているところがお気に入りということで街中のガラスや、鏡に映り込んだ姿が綺麗でスーツを着る度に嬉しくなるとのことでした。

昨年のご注文は、当社初オーダーということでしたが、一回目でここまで喜んで頂けると嬉しいですね。
1回目より、2回目、2回目より3回目という風に身体にフィットさせていくイージーオーダーですが、サイズ面だけでなく、自分でデザインを選ぶ事によって、街中や社内など、周りに溢れているスーツデザインを目で追うようになったそうです。

このような自分でデザインを選ぶ経験は、目が肥える事にもつながりますので、自分のスタイル確立にも役立ちます。
価値観を変えてしまう(大袈裟?)オーダーの魅力を私自身改めて実感しました。

それでは、Uさんのご注文はどのようなオーダーだったのか、前回のオーダーの流れからまずはご案内させていただきます。

〜 前回のご注文 〜
昨年、初めてご注文頂いたUさんですが、どうやら急ぎで2着のスーツをご希望されてました。
オーダーというと、初めてのご注文では、シルエット・デザインディティール等お好みが100%伝わるとは限らないため、最初は2着よりもまずは1着でのご注文をオススメしており、2着目以降、更にお好みに近づけていくようご案内しているのですが、それでもやっぱり2着スーツが欲しい!とのこと。

そうとなれば、こちらでもやれるだけのことはやろう!
ということで、ブリティッシュスタイルイタリアンスタイルと分け、サイジングも少し差別化する事によって好みを試そうということでご注文を承りました。
前回のご注文で差別化した内容をまずはご紹介します。

<デザイン>

□ ブリティッシュスタイル □
フロント:シングル3×1(中掛け)
ベント:サイドベンツ
胸ポケット:箱ポケット
見返し:ハギ台場(角台場)
袖口幅:13.7センチ※
襟幅:8センチ

□ イタリアンスタイル □
フロント:シングル2つボタン
ベント:センターベント
胸ポケット:舟ポケット
見返し:丸台場
袖口幅:13.5センチ
襟幅:7.5センチチ

上記が前回初オーダーの際に差別化したデザインサイズでお仕立てした内容です。
デザインでは、今主流の2つボタンと3つボタン中一つ掛けにし、ベントはサイドとセンターに分け、袖や襟の細さを変えてみるなど、各々違いを出しUさんのお好みを探りながら次につなげようという作戦です。

さて、
今回のご注文は、上記のデザインからどのようにオーダーされたのか、お好みはどちらに傾いたのか、、、ご紹介いたしますのでご覧下さい。

<生地>
1.G3072(チェスターバリー/ネイビー×レッドストライプ)

着るロールスロイスとも言われるこのブランドの商品ですが、しっかりとした織りと深い色味は、高級感もありつつどこかに他と違った遊び心が垣間見えます。
紺と赤ストライプの相性は新鮮で、珍しい組み合わせにもかかわらず、バランスのとれたデザイン性がおもしろいですね。


2.G3082(カノニコ/グレー×ブルーストライプ)

セレクトショップでも多く取り扱われているカノニコですが、そのせいもあってかとてもユニーク&トレンド性の強いブランドです。
幅広い年齢層の方に人気を博しておりますが、今回は、比較的濃いめのグレーにブルーのストライプを入れることにより、色気のある仕上がりが特徴です。
さり気なく入ったシャドーストライプもポイントですね。

今回も2着のご注文、ありがとうございます!
生地はお互いに全く雰囲気の異なる色・柄のもので気分に応じて着て頂くことができるので、ますます楽しくなりますね。

また、生地を決める段階で多くのお客様から、「生地だけ見ても、スーツの仕上がりがあんまりわからないや」という声もよく耳にしますが、そのようなぼや〜っとしたままおすすめはしません!
肩に候補の生地を乗せることにより、スーツになったときのイメージがかなり近づきます。
こちらが、肩に乗せた時の生地の雰囲気です。

1.G3072

2.G3082

いかがですか?
肩に候補の生地を掛けるとグッとイメージが湧くのがわかると思います。
そして、こちらが2つの生地を左右の肩に合わせた状態です。
各々の生地の特徴や、この肩に掛けた状態で生地の色柄と顔色のバランスを見て、合う合わないという判断を行います。

この作業でおもしろいのが、お客様の意見と、私たちスタッフの意見がほぼ一致するところで、やはり顔色と生地の色柄の映えが一致すると、皆が見ても良いスーツに映るのかもしれませんね。

それでは、生地が決まりましたので、デザインのご紹介です。

<デザイン>

□ 上着 □
フロント:シングル3×1(中掛け)
ベント:センターベント
袖口:4つボタン重ね本切羽5つボタン重ね本切羽
脇ポケット:ハッキングチェンジポケットつき
見返し:背抜き丸台場
ネーム糸色:濃いグレー
裏地:Z494-2(ボルドー)Z530-F19(グレー)
備考:携帯ポケットつき、袖口幅13.5センチ

□ 下衣 □
タック:ノータック
脇ポケット:ストレート
裾口:ダブル・3.5センチ
ピスポケット:両玉左ボタン留め
備考:折り目加工、ヒザ細め美脚パンツ

:同デザイン
:1.デザイン
:2.デザイン
パンツデザインはどちらも同じご寸法・デザイン

どちらかというと、現在のトレンドでもあるブリティッシュスタイルを気に入って頂けたようで前回のスーツを良いとこ取りしながら、今回は2着ともほぼ同じデザインでのお仕立てでした。
紺色で表示されている仕様が今回ご注文頂いた2着のスーツに反映されている仕様ですが、この辺りが、いわばUさんのお好みが固まった所ではないでしょうか。

ただ、大体の好みはハッキリしたものの、以前から気になっていた袖口ボタン重ね5つボタンにチャレンジしたいということでグレーのカノニコの生地にこの遊びを採用しました。
極端なデザイン変更ではありませんので、こういうところは背中を押させていただきます!
サイズでは、前回少し細めにしたスーツ(?)の寸法を気に入っていただけたようで、細身のスーツと同じ寸法にして前回のスーツより肩周りの補正を増すことにより、更に身体に沿った補正で工場へ指示いたしました。

補正は入れすぎるとかえって、支障が出てしまうこともありますので、採寸の際に着ていただくゲージサンプルに極端なシワ等がでない場合は控えめに補正を入れております。
その為1回目のスーツが仕上がった際に行う“フィッティング”は次の1着につなげるという意味ではバレーで例えるところのレシーブのように重要です。

イージーオーダーでも出来る限りフルオーダーのような着心地の良いスーツを目指しておりますので、ご注文の際は前回のスーツをお召し頂いてご来店いただければ、補正などの見直しにもなりますので皆さまもご参考にしていただければと思います。

また、ご新規の方でもお気に入りのスーツをお持ちいただければそちらに出来るだけ近づけつつ、身体に合わせたスーツをお仕立てするよう努力させて頂きますので、お気軽にご相談下さい。

いかがでしたでしょうか。
オーダーでは、デザインを選べる分、選択肢もとても広がります。
周りにちょっとしたスーツのデザインやスーツのシルエットなど、情報が溢れていますので、ご自身のフィルターを通してオーダーに活かしてみてはいかがでしょうか。

ご注文後、約3週間でお仕立て上がりとなりますので、今オーダーいただくと少し早いかも知れませんが良い季候でお召しできると思います。
この春夏を先取り!で向かえてみるのも良いですね。

こちらは、お客様ありがと〜う!!でもご紹介させて頂きますので、お楽しみに〜!