5月は書き入れ時とばかりに、都内近郊の百貨店は大型セールをバーンと開催した月でした。
代表的なセールに、北海道の物産を取り揃えた食品催事、これはなかなか消費者からの受けが良ろしく名物催事になっていますが、少々マンネリ気味で苦戦しているところも有ったそうです。
この時期、もう一つの定番が「紳士服2着セール」です。
これは、同業としまして動向がとっても気になるところですが、新宿、池袋、銀座など都心に有る百貨店では成績があまりヨロシクなかったようです。
紳士服2着セールと言うビジネスモデル、今世紀初頭頃から有ったように思いますから、かれこれ20年位続いていると思いますよ。
百貨店のセールと言えばやはり婦人物がメインでしたが、最初、銀座の百貨店から始ったと思いますが、スーツを2着セットだから1着当たり10,000円ぐらいで、安い!というので世がバブル崩壊後の不景気を背景に、消費者が飛びつき、爆発的に売れて多くの百貨店に普及していったのがこのビジネスモデルの始まりだったように記憶しています。
当初は、元々百貨店と取引のあるアパレルメーカーが通常価格で売れ残った商品を、翌シーズン値下げして販売、「このブランドスーツが何とこの価格で!」とやっていたのが、そうした商品も少なくなると、低価格で売るために百貨店のバイヤーが直接中国の工場でスーツを作らせたり、最近では、どこの百貨店でも、紳士服量販専門店に卸しているアパレルメーカーからこのビジネスモデル限定で品揃えをしているので、看板は違えど同じような商品が店頭に並んでいるように感じます。
安さが武器だったのが、それだけでは消費者も満足出来ず、「中国で作っているから安いんじゃないの?」「古い商品だから安いんじゃないの?」と、まぁ、いろいろ大変だったと思います。
そんな流れから、現状は安さに加え、「国内縫製」「有名ブランド」「インポート生地使用」「ハンドメイド」などの付加価値?で、スーツ2着で●●円と販売してますが、馴れた消費者にはなかなか響かないようです。
他にも原因が?
接客スタッフ(主に女性)の年齢がかなり高く、良いサービスが提供できていないようで、「年下のお客さんだからと言って、タメ口をきかないで!」なんて言う注意が飛ぶのも象徴的です。
接客サービスの質は、一朝一夕ではならず、付け焼刃の短期販売スタッフではなかなか難しいのか、それでは接客出来ないオーダー部門だけは、セール中善戦したそうですよ。
<写真は本文とは関係ありません>