前回は20世紀末、フリース800万枚売ってここにユニクロ有りと凄んだところで終わりましたが、、、
21世紀に入った2016年に、とうとう追いかけていた相手GAPの売上を追い抜いちゃったんです!そして今度はアパレル世界1位でZARAを主力ブランドとするスペインのインディテックスを視野に入れ、世界1位を目指して凄んでいるんですよ!広島のカジュアルショップが世界1位になろうとするなんて、本当に凄い!の一言に尽きますね。
そのビジネスモデルは、SPA(Speciality store retailer of Private label Apparel)と言って、自ら企画(オリジナルブランど)し、製造(商社に頼らない)した商品を、自ら運営する(百貨店や専門店に頼らない)店舗で、消費者に直接販売する、自主自立したアパレル製造小売業です。
僕らオーダースーツ屋も企画、製造、小売を一貫して行っていますが、このコロナ禍になって苦戦を強いられています。さて、どこが違うのでしょうか?
先ずはユニクロの企業理念と思しき創業以来の3つの約束を見てみると、、、
@明るく整然として掃除の行き届いた売り場
A広告商品の品切れ防止
B3ヶ月以内の、理由を問わず返品・返金の受け入れ
@とAは商売の基本の基ですが、僕らの店舗、全ての広告で徹底されているかと言うと、、、正直なところまだまだです。そしてBですが、転売の出来ないオーダー品を扱う僕らにとってはNGです。
しかし、改めて考える余地も有りますね。この3か条、シンプルですが中々ハードルの高いお約束でそれを公言してきたところにユニクロの凄みと言いますか、覚悟を感じます。
次に「成功の鍵」が何なのか、推察してみました。
@品揃えの原点:誰でも着られるベーシックカジュアルを色柄、サイズ、価格で「徹底的な絞り込み」、その「賞味期限」を13週とした徹底管理。
A販売計画:シーズン概ね500品番を、SKU(前品番、全色、全サイズ)毎に週単位の販売計画を立案しPDCAを回す。
B人:店長を「商売人」に育てる。その一環として、新聞折り込みチラシ製作と品揃えの権限、そして責任を持たす。店長の先はスーパーバイザー。その先はブロックリーダー有り。
最後に本部の役割ですが、、、
@目指す所(今はZARAを追い抜く)を明確に伝え、共有、共感、共鳴、共創(一体感が大事です)を産み出す。
Aルール作り:商品の企画、製造、供給や店舗の商品陳列(VMD)など。
B人材育成:店長、スーパーバイザー(先輩社員が後輩社員を育成する循環)
以上、ユニクロが行っていることはとてもシンプルで道理に合ったことを徹底することでしたね。僕らも刺激を受けているだけでなく、同じ人間がやっていることなんだから出来るようになるまでやり続ける。これですかね?!
写真上段:いよいよスーツ本格参入か?(2021年9月17日付日経新聞より)
写真中段:至ってべーーシックな秋のテーラードカジュアルコーディネイト
写真下段:ユニクロアイテム(コート、カバーオール、マフラー)を上手に使ったカジュアルコーディネイト