ゼニアの生地が人気の理由
2019/04/25
早いもので、オーダースーツのヨシムラが神田駅西側の地へ移って1年。
昨年の今頃は、旧店舗の移転セールでオーダーを受けた数が半端なく多かったので、その仕上がり品の納めと新店舗の開店セールが重なり、もう大変でした。

大変と言えば、引っ越しの際に額をシャッターにぶつけて、パックリと割れ鮮血飛び散る、名誉の負傷(単にボーッとしてただけです)なんてことも有って、久しぶりに白いスピードカー(救急車)に乗せてもらいました。今もその時の「名誉の負傷」がおでこにしっかり残っています。

今、YOSHIMURA&SONSではその1周年に掛けて、ゼニアフェアを開催しています。
壁一面に品揃えしたゼニアの生地のかず数々が、毎日お越しになる沢山のお客さんに手に取られオーダーされると言う、変わらずの人気です。

何故ゼニアの生地がこんなに愛されるのか?
ヨシムラのリーズナブルプライスにも因るのですが、、、
勿論、それだけではありません。

ゼニアはイタリアの北部トリヴェロ(北に南アルプスを臨める自然豊かな所です)の地に、1910年初代エルメネルド・ゼニアが服地工場を設立しました。その時から明確な企業理念を打ち立てていました。1.最高品質のメンズウエアの為のファブリックを生産すること 2.世界中の原産地から上質な素材を厳選し直接調達すること 3.消費者の発展のためにもたゆまぬ製品革新を努力すること 4.伝統的なクラフトマンシップと最新技術の融合

今日まで100年余り守り通した結果、かつて圧倒的強さを誇っていた英国服地を凌ぎ、世界各国の消費者に支持されるようになりました。

その創業スピリットは、かつて発注の都度訪れたトリヴェロの工場で何度も眼にした光景に現れていました。それは、、、
「美」でした。

生産ラインに至る通路の壁面には、歴史を物語る絵画、清掃の行き届いた廊下、良く手が入れられているイングリッシュガーデン風の中庭、そして生産ラインにおかれた数々の器具が本当に良く手入れが行き届いて皆ピカピカだったのをよく覚えています。糸の束を染める器具などは普通染料まみれだったりするのですが、どれも磨き上げられているのです。決して新しくないのに。まだまだありますが今日はこれぐらいにしておきます。

此処で生地の生産に携わる人全員が、創業精神を守って日々生地を織りあげ送り出していました。そうやって「美」を追求する執念にも似た凄味が、愛される理由の一つでは無いかと思うんですね。

写真上段:1周年無事迎えました

写真上段:ゼニア工場が垣間見える1冊があります


ファッションデザイナーのビジネスモデル
2019/04/11
左の写真はデザイナー田山淳朗さんの興味深い二つのインタビュー記事を重ねたもので、上が1999年1月6日付(今から20年前)、下が2019年4月5日付(現在)で、どちらも業界紙の「繊研新聞」に掲載されたものです。

何故20年も前の新聞記事を取って置いたかと言うと、、、
当時の田山さんは、自身のコレクションブランド「アツロウ タヤマ」をパリコレで展開する一方、日本ではバカ売れしていたことから平成のお化けブランドとも言われた「オゾック」のチーフデザイナーを兼務していました。そして、「オゾック」のビジネスモデルを主導した田山さんに同世代の僕は強く触発されたのでした。

「オゾック」には、それまでのコレクションブランドやライセンスブランド、アパレルブランドにはないビジネスモデルが確立されていました。それが「SPA(製造小売)」と言う企画、製造、販売までを一貫して行うビジネスモデルです。

それは消費者の嗜好の変化を素早く捉えて品揃えに反映し、在庫を高効率回転させて売り上げと収益性を高めたことで、大小さまざまなファッション企業が取り入れようとチャレンジしたものの、デザイナーやMD、セールススタッフといったチーム力の優劣によってブランド間しいては企業間の成績に差がついて行きました。

「SPA(製造小売業)」は、「QR(クイックレスポス)」が生命線で、この要素を60年代から持っていたのが「イージーオーダー」でした。21世紀初頭まで、「イージーオーダー」は、年寄り臭い、ダサいなどのイメージからファッションに鈍感な世界で、売り手も買い手もファッションに関心の低い高年齢層に偏っていました。

しかし、今世紀にはいってからサビルロウやクラシコイタリアが注目を浴び、イージーオーダーにもスタイルやデザインが注入されファッションナイズされるとお洒落で個性的な消費者が飛びつき新たな市場が形成されるようになりました。

元々1カ月弱で顧客の希望を叶えるという「QR(クイックレスポンス)」の要素を備え、さらに消費者需要を取り込んだ新たな提案をリスク少なく提案することが出来るのがイージーオーダーです。既製服では新しい企画を市場へ導入するのにスーツで最低限30着あまりの生産量が必要ですが、イージーオーダーでは1着あれば充分です。

今後は、ファッション性や機能性の高い企画提案出来るチーム力(人材)と、顧客のオーダーをクイックで生産できる背景(工場設備)を整えること(目標は1週間)、フラッグシップショップがファッションビジネスのサクセスキーになることでしょう!


ビジネスリュックの功罪
2019/03/26
僕がリュックを担いで通勤していたのは今から20年ほど前、20世紀も終わろうとしている頃でした。

その頃、未だ前職に就いてカジュアルブランドを担当してたから、Tシャツにデニム、シューズはスニーカーと言った軽装で、リュック背負って父のお下がりのロードバイクを駆って最寄駅まで通勤していたのをよく覚えています。快適でした!

夏のある日、異動でビジネスブランド担当に就任した時からスーツ着用に戻り、いつの間にやらリュックからブリーフケース、自転車に乗るのは休日だけで通勤は徒歩になってしまいました。スーツスタイルでリュック背負ったり、ロードバイクに乗るのがどうも抵抗有ったんですよね。

今、仕事で使うバッグですが、僕は相変わらずブリーフケースを愛用していますが、なんでも業界紙の「繊研新聞」のアンケート(複数回答)によると、トートバッグが一番で6割の人が使い、次にリュックサックが5割の人が使っていました。ヘェー、そんなに居るんだと思った反面、ブリーフケースは1割の少数派で、意外にもデカいバッグに人気が集中しているんだと強く感じました。

そこで2位のリュックサックですが、ビジネススタイルにどうなんだろうと改めて問うて見たくなりました。

良い点は、両手が自由に使えるから自転車に乗りことが出来るし、スマートフォンも操作しやすい。容量が大きいから沢山の資料や道具を持って移動が出来る。総合して機能性が高いと言ったところでしょうか。

一方、難点はと言いますと、まずはビジネススタイルに合うものが少ない。コードや金具の付いたアウトドア系ブランドは絶対NG.次に何をそんなに沢山入っれているの?と思うほど厚く膨らんだリュック(自宅へどんだけ仕事を持って帰るの?)。通勤ラッシュの電車内では迷惑になりますよね。

それでは、スーツスタイルに合ったリュックサックってどんなのが良いか考えてみると、形は絶対スクエア。あの楕円形はNG。色はスーツの色に合わせて、ブラック、グレイ、ダークブラウンあたりが妥当。大きさは、特に暑さですがパソコンが仕事柄手放せない人も多いと思うので、せいぜい15cm位までが許容範囲。それより厚いと修行者をイメージしちゃいます。

スーツやジャケパンのビジネススタイルに合わせるには、フォーマル感が必要だと思います。素材もマットなナイロン系が多いですが、レザー製のものが少数ですが良いのではないでしょうか?

そこでバッグと言ったらエルメスですが、リュックサックはてっきり作って無いと思って調べてみたところ、有りました。程よいサイズと形で、素材はカーフスキン。これがまた良いです!

しかし、、、
価格が、なんと100万円超。庶民の僕は唖然とさせられました!


お宝なシャツの生地
2019/03/18
もう少しで桜の花が街中を桃色にしてくれる、そんな季節がやって来ますね。
花粉症で大変な人も、この時ばかりはマスクしてメガネして、千鳥ヶ淵へGO!ライトアップされた光景はまさに絶景!お宝シーンです。

そうそう、お宝と言えば、先日、ヨシムラの佐野店長が「玉岡さ〜ん、見て下さい、ビッグヴィジョンの○○店でこんなお宝のシャツ生地見つけちゃいましたよ。Kさんにどうですか?」

そう言えば、昨年の暮れから何人かのお客さんに、「シャツの生地、新しいのは一体いつ入るの?」と突っ込まれることしばしば。いささか困り果てていたところへニューコレクション入荷(カンクリーニだよ)の朗報に加え、今回のお宝シャツの出現。これなら眼の肥えたKさんでも喜ぶに違いないと即電話しちゃいました。

そのシャツの生地とは?
なんと、S.I.C.TESによる120番双糸でお織り上げられた海島綿でした!
豊かな質感、美しい光沢、しなやかな手触り、Kさんが「要らない」と言えば、自分のシャツ作っちゃおうと思っていました。しかし、その期待空しく、あっさりオーダーされたと言うオチでした。

コートを脱ぎ捨てるこれからのシーズン、Vゾーンのコーディネイトにシャツは大きな役割を担います。
今シーズンのシャツトレンドでは、「ノーアイロン」や、それに「涼感」を加えたもの、カラーはイエロー系が打ち出されていますが、UVカット消臭吸水速乾など機能を打ち出したものも沢山見受けられます。

汗かきな僕はやはりコットン100%派で、夏は特にそれが心地よいと思っているのですが、素材メーカーも開発が進んで、混紡素材や形態安定素材などでも肌触りの良いものがどんどん出されているようなので一度は試して見ようと、、、

夏は上着を脱ぎ捨てるので(僕らは着ますよ)、シャツ&パンツによるコーディネイトの重要性が秋冬シーズン以上に高り、センスを疑われます。
天然素材か高機能素材化はそれぞれの良さも手伝って、意見の別れるところですが、ヨシムラでは質感を、ビッグヴィジョンでは機能に重きを置いた展開になる見込みです。

話は変わりますが、海島綿もっと無いか探してみよう。


2019SS ネクタイトレンド
2019/03/04
僕の若い時、実はネクタイするの大嫌いだったんです。
何故って?自由に解放されていたいという気分からだったのですが、ある時からネクタイに頼るようになったんです。

それは、、、
ある新聞のコラムで、プロ野球選手OBが、こんなことを書いていました。
「私は酒席でいくら飲んでも乱れない為に、ネクタイを最後までビシッと締めています。
これを読むまで、仲間や先輩後輩と一杯やった帰り、大事な鞄を電車の網棚に忘れて無くしていました。財布もろ共だったんで結構大変な目にあっていました。

それが、試しにいつも外していたネクタイ締めて一杯やると、どうでしょう?酔っぱらっても気持ちは引き締まり、しっかり帰宅するようになったんです。当たり前ですが。
以上ネクタイの効用ですが、皆さんはいかがでしょうか。

ネクタイのトレンドを伝えようと思っていたら大分横道にそれました。スミマセ〜ン。
改めて、今シーズンのネクタイのトレンドですが、、、
百貨店のネクタイ売り場を見ると、先ずは価格が高くなっているのを感じます。これはシルクなどの原料費が上がっている影響ですが、国産で7000円から13000円位、インポートだと16000円以上になっているようです。

色では、イエロー、グリーン、レッド、サックスなどがトレンドですが、ネイビー、ブラウン、グレーを中心にした構成になっています。

柄は、フラワーモチーフやボールドパターン(大胆な絵柄)のトレンドに加え、ペイズリー柄やジオメトリック柄、レジメンタルストライプにソリッドが中心と言った構成でしょうか。

ヨシムラとビッグヴィジョンで展開しているオリジナルタイでもフラワーモチーフやクレストにボールドパターンと言ったトレンドに、糸や織りで表現されたテクスチャーに高質感を感じさせるソリッドタイが今シーズンもデ〜ンと揃っています。

そして価格は変わらずの、4900円。
ファブリックはイタリー、メイキングは日本でこの価格は、ヴァリュー高いです。また締めても緩まないクオリティーも高さ。このオリジナルタイは本当に優れものです!

写真は、色、柄ともにトレンド、ベーシックがバランス良い企画になっているオリジナルタイのコレクションの一部。


平成ファッションを振り返るB
2019/02/20
「平成ファッションを振り返る」は、今日で平成21年から現在までを振り返って、最終回となります。
改めてこの10年ほどのファッションを振り返ると、それまでと比べ本当にトレンドも刺激も少ない時代だったようです(今も続いていますが)。

平成20年(2008年)にリーマンショックが勃発、世界同時株安となって日本の景気も失速、その立ち直る矢先に、平成23年(2011年)には東日本大震災、平成28年(2016年)熊本大震災、平成30年(2018年)西日本豪雨など理不尽な天災も多く、日本の景気に向かい風が立ちはだかり、大変でした。

そんな中で元気だったのは、ファストファッションやユニクロ、シマムラでしょうか。
ユニクロの弟分GUの990円ジーンズ。これ僕の周りでも履いている人いましたが、見た目にスリムなフォルムはとても格好よく、「安!」と「良いパターン使っている!」中々の優れモノでしたよ。

忘れてならないのが本家ユニクロのヒートテック。これには僕もはまりました。確かに冬暖かく、肌触り良く、フィット感抜群、耐久性も高く良いことづくめ。夏は涼しくて、蒸れないエアリズムの併用で、アンダーウエアは1年中ユニクロさんにお世話になっています。

一方で、平成21年(2009年)にH&Mが原宿に1号店を出してファストファッションブランドが路面に出そろったものの、最近では相次いでそのフォーエバー21が原宿から、H&Mが銀座から撤退してSCへ出店を行っているのは、おそらく高い家賃のコストパフォーマンスと競合激化によるものでしょうね。

「安さだけが価値では無い」はZARAなどを見ていると実感しますが、価格だけでなくそもそもファッションとしてトレンドを捉えていない服、品質(価格見合い以上)を伴わない服はやっぱり支持されません。デザインと品質と価格バランスが良く、価格の意味がはっきり伝わるブランド、店、商品だけが今後のマーケットに生き残るんだと思いますよ。

この10年間に世に出て凄いスピードで普及したLINEやインスタグラム、日本語版フェイスブックやツイッタ―は社会へ大きな影響力を持ち、インフラになったスマートフォンが世の中を一変させた反面、ファッションに割かれるお金が少なくなったのも現実で複雑な心境です。

現在ブームになっているオーダースーツも老舗オーダースーツチェーンや個人テーラーに加え、大手アパレルメーカー、紳士服専門店、老舗生地問屋などが競って参入して裾野が広がっていますが、群雄割拠の戦国時代に生き残るのは???

5月から新たな元号の時代がやって来ますが、どんなファッションやムーブメント、カルチャーがやって来るのか楽しみですね。

写真上段:GUジーンズ

写真中段:ユニクロヒートテック

写真下段:今は見馴れたLINEのロゴマーク


平成ファッションを振り返るA
2019/02/13
平成11年、ユニクロのフリースが原宿でバカ売れしているその頃、澁谷では「マルキュー」こと渋谷109は女の子たちで沸きに沸いていました。

恐るべし女子力、恐るべし109パワー。このムーブメントは僕にとって本当に衝撃でした。バブル崩壊で元気をなくしていたファッションがここだけは別の生き物の様に有り余るエネルギーを発し躍動していて、元気を振りまいていました。

そもそもサーフ系ブランドの「アルバローザ」が火を付けて、ガン黒、コギャル、厚底ブーツの一大ブームが。。。その頂点に立ったのは「エゴイスト」。なんと月商2億と言うから凄い。当時、丸井や都心百貨店では年商2億でビッグブランドと言っていた頃ですから、もうびっくり!なんせ一坪で一カ月1千万売り上げるんですから、、、

この成功の裏には、既存アパレルには無いビジネスモデルが有ったんです。カリスマ店員と呼ばれるスタッフは、自分たちの良いと思ったもののサンプルを、小回りの利く工場で作ってもらい、接客により顧客の反応を見ては、韓国に飛んでクイックで「生産」してもらい、ハンドキャリーして店頭に出して売る。その間わずか1週間ですよ!!!
既存アパレルが今まで出来なかったことを実現した彼女たちは本当に偉い!

一方、百貨店は日本橋東急が平成11年に閉店した頃から閉店や倒産を繰り返す中、大手同士で一緒になる「経営統合」が起こり、大丸と松坂屋、阪急と阪神、そして三越と伊勢丹まで相次ぐ百貨店同士の経営統合が続いたのがこの頃で、こちらは元気なかったですね。

新たな流通の動きが有ったのは、どんどん利用者が増えて行ったインターネットのECサイト。平成16年にスタートしたゾゾタウンは格段の成長拡大を続けています。ゾゾタウンのビジネスモデルは「一貫物流」。ゾゾが自社倉庫で、取引先の商品を保管、撮影、梱包、出荷などを全てテナントに代わって行い、クイックに消費者の元へ届ける利便性が、サイト側、取引先、消費者の「三方良し」のビジネスモデルになっています。

リアルショップでは、平成20年にH&Mの日本1号店が銀座に出店、続いて原宿にフォーエバー21が出店して、1万円でトータルコーディネイトが出来るファストファッションはあっという間に日本のファッションマーケットに浸透して行きました。

写真上段:ギャルファッションの聖地、澁谷109

写真中段:マルキュウファッションをけん引するカリスマ店員

写真下段:原宿にオープンしたH&M日本1号店


平成ファッションを振り返る@
2019/02/06
最近の流行語?と言えば「平成最後の年」をよく耳にしますが、、、
ここで改めて平成を通り過ぎたファッションを振り返ってみたくなりました。

まずは、平成1年(1989)から平成10年(1998)を覗いてみましょう。その頃あなたは何歳だったでしょうか?是非、フラッシュバックしてみてください!

平成1年(1989)、世間はバブル絶頂でこの年末には株価が4万円(現在は2万円程)になろうとするピークを迎えていたのですが、翌々年の平成3年(1991)にバブルは崩壊して、あっという間に沢山の銀行や証券会社が倒産してしまいました。それが平成不況の始まりでした。

その頃のファッションシーンで、ピークを迎えたのが渋谷カジュアルを略した「渋カジ」でした。日本初のストリートトレンドと言われた渋カジは、テレビドラマ「東京ラブストーリー」の追い風も有って渋谷から日本全国へ、あの「紺ブレにデニム」ファッションの一大ブームを巻き起こし、ラルフローレンやリーバイスがバカ売れしたものです。

それに続いたのがインポートブームで、グッチがトムフォードによって再生され、デザイナーに替わってブランドの全てをコントロールする、「クリエイティブディレクター」が業界でフォーカスされるようになりました。それによって、ディオールやサンローランなどのブランドも蘇り、ブームに乗ってCKやDKNYなどのロゴブランドも大流行でした。

並行して、インポートショップから派生したセレクトショップで、ユナイテッドアローズ1号店やバーニーズ1号店がオープンしたのもこの頃、案外歴史はまだ浅く老舗のビームスやシップスは既に健在でした。一方で景気に押されて頭角を現したのが、低価格紳士服の青山で、それまで郊外立地だったのが都心の銀座に進出してきました。

バブル崩壊で消費が冷え込んできたタイミングの平成10年(1998)に、地方でジーンズカジュアルショップを展開していたユニクロが原宿に都内初出店を果たし、同時にリーズナブルプライスで販売したフリースがすべての年代層に支持を受け、売れに売れて、ここからブレークしてユニクロのサクセスストーリーが始まり、今に至っています。

写真上段:兄貴も姉御も紺ブレにデニムの渋カジファッションでした

写真中段:モードの教科書、ミスターハイファッションの表紙を飾ったトムフォード

写真下段:ユニクロ原宿店に殺到する人、人、人


2019SSを羽織る
2019/01/31
冬のセールが終わって「ホッ!」と一息ついています。
大忙しだったいつもの正月商戦を乗り切って、僕らもこれでようやく「正月」を迎えられるんです。

しかし、、、一息ついたら、、、本当に一息だけついたらそこにはすぐ新たなシーズンがやって来るので、今度はその準備へ突入!

どれどれ、今年の春夏シーズンのトレンドはどんなかな?と申しますと、2年程前にカラートレンドがその筋の機関(○○協会?)から提案され、一年程前にはパリやミラノ、近年は影響力が強くなった中国上海の、各地で開催される生地展で素材傾向が決まり、半年ほど前の製品展示会やコレクションで、製品のトレンドが方向づけられる、と言うのが概ねでしょうか。

そんな流れで提案されているトレンドの中、僕が今シーズン特に注目しているのは「ピッティウォモ」に出品されたタリアトーレやコルネリアーニなどのジャケットに見られた、軽そうな軽そうなそれでいてあくまでしっかりテーラードしたジャケットでした。

日本の夏のビジネスウエアは、クールビズが定着して年々軽装になって行く、そんな傾向に反抗して、僕はタイドアップで仕事に向かっていますが、やっぱり涼しいのは有り難く嬉しいですね。

そこで今年は注目ブランドの「羽織るジャケット」で行こうかと。。。
「羽織るジャケット」は、アンコンンスドラクテッドな作り、裏地や釦、芯地などの付属品も軽量、そして生地の3つの要素が決めてです。

今春夏シーズンは例年以上に高機能な素材が多く使われる年になりそうです。中でも注目素材は、レダ・アクティブ、コーデュラ、クールドッツ、メトロポリス、エヴァレットの4素材。

これらの素材群と、秘かに開発された「羽織るジャケット」のコラボレーションが、きっと快適な夏のビジネスシーンを実現しますよ!

写真上段:「羽織るジャケット」試作品

写真中段:重さはどれ位?

写真下段:上着420gの着用感は超軽!(平均的春夏物スーツ上着で700g位)


ゾゾの今後は?
2019/01/23
僕が初めてゾゾタウンを知ったのは、2004年も暮れる頃でした。
その頃、前職で銀座に新たなコンセプト(今では当たり前になったスタイルオーダー)のオーダーショップを立ち上げる為、インターネットから販促のための情報収集を四六時中していると、「ZOZO」という見慣れないタイトルが、、、

初め「ZOO」と勘違いして、「動物園」って何だ?と思って眼を留めたのを、今でもよく覚えています。

画面は、いろいろなデザインのファサードを持った建物が立ち並んだ通りがあって、そこをゲストが訪問する仕掛けだったと思います。建物は、実はビームスやアローズ、ポーターなどの路面店でした。ショップはCGでヴァーチャルに描かれていて、中に入ることも出来たとっても楽しいサイトでした!

凄く衝撃的で、まるでファッションのジオラマかおもちゃの街を覗いているようで、新鮮な感動を強く受けました。それから十数年経って、サイトデザインも刷新され、新宿伊勢丹をも超える売上高(取扱高)3,000億超ものファッションサイトモンスターになるなんて、当時思いもしませんでした。

最近では、大手アパレルが出店を取りやめるなどネガティブなことが起きていますが、僕が思うに、ゾゾの独自サービス(割引)を理由に、百貨店に配慮しているんじゃないだろうかと(因みに、イセタンのPBはゾゾに今も出店しています)。

一方で、ファッションマーケットにおけるプライスリーダー争奪戦の意味合いも感じます。消費者のインターネット利用拡大の流れから、今後ますますファッションIT企業は成長拡大して行く中、従来ファッション企業もITの導入は必須です!

気になるゾゾの今後ですが、あのインパクトの有ったゾゾスーツから一年余り。数百万から一千万超の人が申し込んだと業界新聞の報道もありましたが、オーダースーツビジネスの方はあまりうまく行って無いようです。

但し、ゾゾスーツで集めた細かなサイズ情報を含む個人情報は、アパレル業界や百貨店業界だけでなくサイズビジネスの業界は喉から手が出るほど欲しいと思いますし、また戦々恐々ではないでしょうか?

日本のスマートフォン普及台数が7500万とも言われますが、この数にゾゾスーツの申し込み数が近づいたら、日本のファッションマーケットの勢力図は大きく変わるかもしれません。

我々も流れを読みつつIT精進は欠かせませんね!

写真上下段:草創期の頃のゾゾタウン(出典:ヤフー)



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