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(大阪編)今時の礼服事情
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『 目に青葉、山ホトトギスに初鰹 』 5月も中旬に入り、ここ関西地方では一年で最も爽やかな季節を迎えました。 そんな折り、日頃からご愛顧いただいているOさんというお客様より礼服に関するご相談を頂戴しました。 何故かこのコーナーにご登場のお客様はOさん続きですが、今回のOさんは以前にダイエット方法も絡めたご注文を紹介した、あの元ボクサーの0さんです。 |
★ ご参考までに・・・ Oさんには以前にもこちらでご登場いただいています。 いらっしゃ〜いコーナー>>>劇的!BEFORE&AFTER ありがとうコーナー>>>果てしなき挑戦! |
それでは、まずはその時のお問い合わせのメールからご紹介します。 |
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件名:返信遅くなりました。 | |
清水さん おはようございます。Oです。 早速ですが、礼服のことで教えて頂きたいことがあります。 1.昔(20年位前)『 礼服は夏服ダメ、シングルもダメ。』と聞いたことがあるのですが・・・ 実際はどうなのでしょうか? たぶん・・・ ● 当時の夏服はカッターシャツが透けて見えたから・・・ ● ダブルのほうが普段着ない服だから・・・ ...なのかな?と思っています。 2.スリーピースの礼服というのはあるのでしょうか? お言葉に甘えまして、サンプル帳を送っていただきたく思います。 (サンプル帳請求フォーム)の画面より、先ほど申し込みしました。 以上、よろしくお願いいたします。 |
★☆★大阪SHOPMASTERより一言・・・★☆★ | |
私もこの業界は結構長いのですが、夏の礼服はダメとは初耳、おまけにシングルも、とはこれいかに?? 早速、Oさんにお問い合わせの結果、どうやら婦人物の礼服の話と紳士物の礼服の話がどこかでごちゃ混ぜになっていたと判明しました。 つまりこうです、婦人物の礼服では肌が透ける様な生地は避けた方が良いと言う事と、紳士物では当時は礼服といえばダブルが定番で、シングルはそれ自体があまりなかったという事の両方のようでした。 また、スリーピースの礼服ももちろんありですが、スリーピースそれ自体が、既製服では今やあまり見られないためにこういうご質問になったようです。 私共のようなオーダー店ではOさんに限らず礼服に関してこの手のご質問は結構いただきますが、やはり皆さんそれぞれに礼服に対してのある種の固定観念や疑問点などをお持ちのようです。 ですので、折角ですからこの機会にいつかは必ず必要になる礼服についてのQ&Aを列挙してみましたので、皆さんも参考にしてみて下さい。 |
■ 礼服Q&A ■ |
Q:
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礼服にはどんな種類があるの? | |
A:
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一般的な分け方として次のようになります。 ● モーニング・・・昼間の礼服ではこれが正式です。 多くは結婚式の新郎あるいはその父親や、葬式の喪主や葬儀委員長などですが、叙勲の際など公式な場では必要です。 ● 略礼服・・・モーニング以外は全てこれに当たります。 シングルとダブルに分かれ、主に黒地が主体で、礼服と言えば今やこちらが主流になっています。 タキシードやディレクターズスーツもこの範疇に入ります。 |
Q:
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略礼服のシングルとダブル、どちらがどうなの? | |
A:
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ご注文に際しこれが一番多いご質問です。 結論から言えば、どちらが良い悪いあるいはお勧めとは言えません。 一般的には、若い方はシングル、中年になるとダブルとよく言われますが、別に根拠のある話ではありません。 確かに若い方がダブルを着ると、若い人はスリムな体型の方が多いので、もうひとつ似合っていないという感じと、人によっては偉そうと取る人もいますので敬遠されがちです。 対して中年になると、お腹が出てくることや、それなりの社会的な地位も占め貫禄も付き、なぜかダブルも似合うようになってゆくのが所以で、そう称されるのかも知れません。 ちょうど和服が中年の方がよく似合うのと、同じ理由でしょうか。 ただ、ここ数年のスーツのトレンドとして、ダブルは殆ど衰退していますので、シングルの礼服が全体としてやや多く見られる傾向にあります。 つまり、略礼服といえど、その時々のファッションの流れに多少は影響を受けるのは否めません。 そこで。。。 スーツのトレンドも加味したこれからの略礼服のご提案です、参考までにどうぞ。 ◆ シングルタイプ ◆ ○2ボタンで釦位置は高く ○衿はハイゴージ(当社で言う高めB) ○ベントはノーベント ○腰ポケットフラップ無し ○パンツはワンタックでスリムに ◆ ダブルタイプ ◆ ○6ボタン2ツ掛けで釦位置は高く ○衿はピークのハイゴージ ○ノーベント ○ハイウエストで全体的にスリムなシルエット ○パンツはワンタックでスリムに |
Q:
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モーニングはオーダー出来るの? | |
A:
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はい、もちろん承ります。 モーニングの場合は、上着+ベスト+コールズボン(しま柄)の三ツ揃いでセットになります。 お値段の方は素材によりますが、約70,000円程度よりの仕立て上がりです。 |
Q:
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冠婚と葬祭は1着でOKなの? | |
A:
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冠婚の場合は黒以外の色物もありますので、共通する黒地でのご案内として両方OKな生地もありますが、主として冠婚のみに使用される生地もあります。 その冠婚向けの代表的な生地としてはロロピアーナなどの光沢感やドレープ感の強い高番手素材が高級感も華やかさもあり最適です。 対して、葬祭は『 心静かに、故人を偲び喪に服する 』を旨としてそれを服装に表しますので、やはり光沢を押さえた控えめな黒地素材がベターかと思われます。 ちなみに、当社の礼服地サンプルは、比較的両方兼用できるような素材を集めておりますが、結論としてはこうなります。 デザイン面はシングルダブル関係なく、礼服として販売されているスーツなら1着で共用できるが、より冠婚用として印象づけるなら、光沢感に優れている生地を選ぶのが上級者の着こなしです。 |
Q:
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友人の結婚式に参列するのに、おしゃれなオススメの服装はありますか? | |
A:
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晴れのおめでたい場ですのでなにも黒地でなくてもライトグレーのスーツなども良いと思います。 ...が、男性の場合は女性と違い考えるのが面倒くさいのも大きな理由の一つで、殆どが黒色一辺倒のようです。 そこで、単なる黒のシングルスーツを一味違う雰囲気にさせる秘策を、といっても単にオッドベストを付けるだけですが、ひとついかがでしょうか。 オッドベストの生地は、バックサテンシャンタンのライトグレーがオススメです。 これ1着で、ただのシングルスーツをソシアル感にあふれるオシャレな三ツ揃いに変身させます。 ネクタイは白やシルバー系が一般的ですが、若い方ならピンクや水玉模様の蝶ネクタイなどいかがですか。 又、小物使いでは、胸ポケットにキレイ目色のポケットチーフひとつを挿せば『 お主やるな〜 』の華やいだ雰囲気も出せます。 その他カフスボタンがワンポイントになるダブルカフスのワイシャツ、あるいはサスペンダーなどなど、この際アイテムのひとつとして揃えてみるのもいいと思います。 ただ、ダブルの礼服の場合はそれ自体が重厚感にあふれて主張していますので、オシャレ感を漂わせるのは結構至難の業で、小物でのアクセントも服に負け無理やりの感も強く、効果も今ひとつのようです。 |
Q:
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スーツ以外で気を付けることは? | ||||
A:
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シャツは冠婚葬祭、いずれも白無地が無難です。 ただ、白無地でも綿100%の100双(※)がベストで、オックスフォード地は避けるべきです。 しかも、クリーニングしておき、衿や袖口にピシっとアイロンがかかったシャツは常備しておく必要があります。 (※:100番双糸の細い糸を使用したしなやかな高級素材) 衿もレギュラーがベストで、今ならワイドも許されます。 葬祭用のネクタイは黒で、柄織りもありますがここはシンプルな無地に軍配が上がります。 靴はフォーマル感のあるストレートチップかシンプルなプレーントウで飾りのないタイプ、くたびれ感は大敵です、価格より新しさに重点をおくべきでしょう。 |
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この辺は当社靴サイトをご参考に! 靴下は黒無地、ハンカチは白無地を日頃から用意しましょう。 |
...以上、ざっとQアンドAでご紹介してみました。 ただ いずれも定説というより1つの目安としてお考え下さい。 読者の皆さんも礼服に関しての様々な疑問点などをお持ちかと思いますが、ようするに大切なのは、『 冠婚は華やかに 』『 葬祭は清楚に 』が全てのキーワードです。 |
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★☆★大阪SHOPMASTERより一言・・・★☆★ | |
...というところで、今月のお客さまいらっしゃ〜いコーナーはここまでです。 肝心のOさんには礼服用の生地サンプルをお送りした上で、ご来店をお待ちしました。 前回のご来店より半年余り、どの程度ダイエットの効果があったのか、そして本業?のボクシング界の裏話など楽しいお話も聞けるかと、私も非常に楽しみにお待ちしていました。 ご注文を含めそのあたりの裏ネタは、次回の『お客様ありがと〜う』でタップリとご紹介したいと思いますので、皆さんもぜひお楽しみに〜。 |